ドクター山見 公式ウェブサイト:ダイビング医学・潜水医学 diving medicine ダイバー検診  
    ダイバー検診の項目
   
    活性酸素と抗酸化力測定(血液検査)
 

活性酸素は細胞を傷つけ、がんを始め様々な病気の原因になります。
抗酸化力は体が酸化されるのを防御する力です。
ダイビングでは圧力下で呼吸するので体が過酸素状態になる傾向があります。そのため活性酸素が増えたり、抗酸化力に変化を生じることがあります。
血液検査によって、普段の生活でどの程度、活性酸素があるか、抗酸化力を保持しているかを検査することができます。
もし日頃から活性酸素が高値であれば、何らかの病気(感染症、炎症、生活習慣病など)があると考えられます。

※活性酸素は常に変化し安定していないため、通常は活性酸素の代謝産物であるヒドロペルオキシドを測定し評価します。

   ダイビングの前後で測定してみると
  空気ボンベを使用したスクーバダイビングでは
ダイビングの前後で活性酸素(ROM)と抗酸化力(BAP)を測定すると、心拍数140以下/分を保って潜るダイバーは、ダイビング後、活性酸素(ROM)が減少します。
抗酸化力(BAP)は変化しません。
緊張のない運動量の少ないダイビングが体にはよいと考えられます。
  活性酸素(ROM)
活性酸素(ROM)
P<0.05で有意差あり
  抗酸化力(BAP)
抗酸化力(BAP)
  リブリーザーダイビング(器材:インスピレーション)では
リブリーザーダイビングの前後で活性酸素(ROM)と抗酸化力(BAP)を測定すると、ダイビング後、抗酸化力(BAP)が増加します。
活性酸素(ROM)には変化がみられません。
水中で泳ぎながら(運動しながら)一定の高分圧酸素(1.3ATA)を持続吸入すると体の酸化に対する防御機構(還元作用)が働くことが考えられます。
  活性酸素(ROM)
リブリーザーダイビング:活性酸素(ROM)
  抗酸化力(BAP)
リブリーザーダイビング:抗酸化力(BAP)
  テクニカルダイビング(水深50mに潜水した後、酸素減圧をするダイビング)では
テクニカルダイビングの前後で活性酸素(ROM)と抗酸化力(BAP)を測定すると、ダイビング後、活性酸素(ROM)が増加します。
抗酸化力(BAP)には変化がみられません。
水深50mに20分潜って減圧に40分(水深6mにおいて酸素分圧1.58ATA、12分間の酸素減圧)かけたダイバーは、一時的に活性酸素(ROM)が増加します。
  活性酸素(ROM)
テクニカルダイビング:活性酸素(ROM)
  抗酸化力(BAP)
テクニカルダイビング:抗酸化力(BAP)
   

ダイバー検診の項目[ パニック検査(心理検査) ]
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